葉酸が含まれている食べ物とは

赤ちゃんの発育に必要なため、妊娠中に摂りたい栄養素のひとつである葉酸。ただし、何を食べれば葉酸が摂れるのか分からないという方も少なくありません。そんな方のために、今回は葉酸が含まれている食べ物についてご紹介します。どんな食べ物にどれくらいの葉酸が含まれているのか、ここでチェックしてみてください。

葉酸はどんな栄養素?

葉酸は水溶性ビタミンの一種で、ビタミンB群に分類される栄養素です。ビタミンB群のなかで9番目に見つかった栄養素にあたるため、ビタミンB9と呼ばれることもあります。

「Folic acid」が葉酸の英語表記で、ラテン語で「葉」を意味する「Folium」からきていますが、これは葉酸がほうれん草の葉から発見されたことに由来しています。

葉酸は植物の葉に多く含まれていて、代表的なものとして、ほうれん草・菜の花・モロヘイヤ・パセリなどがあります。

妊娠期に欠かせない栄養素として取り上げられることが多い葉酸ですが、実はDNAやたんぱく質となじみが深い栄養素です。

私たちのからだをつくる設計図である遺伝情報は、DNAというかたちで細胞内に保存されています。そして、その遺伝情報をもとに、実際にからだを構成している材料にあたるのがタンパク質です。

生命の根幹をなすDNAとタンパク質となじみが深いということを考えると、葉酸がいかに重要な栄養素かが理解できるのではないでしょうか。

葉酸が果たす役割

妊娠中に摂りたい栄養素として知られている葉酸ですが、葉酸がどんな役割を果たすのかご存じですか?

妊婦さんにとって葉酸がどんな役割を果たすのか、また妊娠していなくても葉酸を摂ることが大切なのはなぜなのか、みていきましょう。

妊婦さんの身体を助ける

葉酸の1日の摂取推奨量は18歳以上の男女ともに240㎍です。しかし、妊娠を計画している方は1日あたり400㎍、妊娠している方は1日あたり240㎍を追加で摂取することが推奨されています。

母子ともに健康な状態で出産するためにも葉酸は欠かさず摂取しましょう。

葉酸を含む食べ物

葉酸を含む食べ物は、緑黄色野菜だけではありません。実は、さまざまな食べ物に葉酸は含まれています。

ここでは、葉酸を含む代表的な食べ物と、それぞれの食べ物を100g摂取したときの葉酸の含有量をご紹介していきますので、毎日の食事にとりいれるように意識してみてください。

■ 野菜

食品 100gあたりの葉酸含有量 推奨摂取量(240㎍)の目安
アスパラガス 約190㎍ 7本ほど
ほうれん草 約210㎍ 4株ほど
ブロッコリー 約120㎍ 7房ほど
枝豆 約320㎍ 38個ほど
モロヘイヤ 約250㎍ 1袋ほど

ただし、葉酸は水溶性ビタミンのため、お湯でゆでてしまうと葉酸の含有量が大幅に減ってしまうので、蒸したりするなど調理方法を工夫することが大切です。

■ 果物

食品 100gあたりの葉酸含有量 推奨摂取量(240㎍)の目安
ライチ 約100㎍ 12個ほど
約90㎍ 中14粒ほど
アボカド 約84㎍ 約1.6個
マンゴー 約84㎍ 約1.5個

果物の中で一番葉酸の含有量が多いのがライチで、それに次ぐのが苺、アボカド、マンゴーなどになります。

葉酸の含有量はとりわけ多いというわけではありませんが、食後のデザートとして食べることで1日の摂取量をかさ上げしていくことができます。

■ レバー

食品 100gあたりの葉酸含有量 推奨摂取量(240㎍)の目安
鶏レバー 約1,300㎍ 約19g
牛レバー 約1,000㎍ 約24g
豚レバー 約810㎍ 約30g

レバーには、葉酸が豊富に含まれています。レバーの中で葉酸を一番多く含んでいるのが、鶏レバーで、それに次いで牛レバー、豚レバーが多くなっています。

ただし、レバーにはビタミンAも多く含まれているので、妊活中や妊娠中の方はレバーを大量に摂取するのは控えたほうが良いでしょう。ビタミンAの摂り過ぎは、お腹の赤ちゃんの成長を妨げる可能性があります。

■ 魚

食品 100gあたりの葉酸含有量 推奨摂取量(240㎍)の目安
うなぎ(肝) 約380㎍ 1/2尾ほど
あん肝 約88㎍ 約270g
煮干し 約74㎍ 約325g
たたみいわし 約300㎍ 約80g

最も葉酸の含有量が多いのはうなぎです。うなぎを毎日食べるのは難しいかもしれませんが、スーパーなどでも手に入れやすい煮干しを、佃煮にしたり、南蛮漬けにしたりして食べてみるのはいかがでしょうか。

■ 豆類

食品 100gあたりの葉酸含有量 推奨摂取量(240㎍)の目安
きなこ 約250㎍ 約100g
大豆(乾燥) 約230㎍ 約104g
小豆(乾燥) 約130㎍ 約184g
納豆 約120㎍ 中5パックほど

きなこはパンにかけて食べることができますし、ヨーグルトに入れて食べることもできますので、葉酸の摂取量を増やしたい方は試してみてください。

■ 海藻

食品 100gあたりの葉酸含有量 推奨摂取量(240㎍)の目安
焼きのり 約1,900㎍ 33切れほど
味つけのり 約1,600㎍ 38切れほど
わかめ 約440㎍ 約55g
青のり 約260㎍ 約93g

葉酸の含有量が非常に多いのが海藻類です。焼きのりは1,900㎍、味つけのりは1,600㎍、わかめは440㎍、青のりは260㎍葉酸が含まれています。

のりは気軽に使える食べ物なので、朝食に加えたり、お弁当に入れたりして毎日の食事にとりいれ
ていきましょう。

※含有量は目安です。

葉酸の種類について

葉酸には大きく2つの種類があります。どんな種類があるのか、またそれぞれの違いについて解説します。

葉酸には「ポリグルタミン」と「モノグルタミン」の2種類がある

葉酸には、ポリグルタミン酸型とモノグルタミン酸型の2種類があります。

・ポリグルタミン酸型葉酸

ポリグルタミン酸型とは、食べ物に含まれている葉酸です。この種類の葉酸は、そのまま小腸で吸収されるわけではなく、消化管の酵素によってモノグルタミン酸型に分解されるというプロセスを経てから小腸に吸収されます。

ポリグルタミン酸型の葉酸は、吸収される前に「分解」というプロセスを経るため、体内への吸収率は下がってしまうのが難点です。一般的には摂取した量の半分くらいが体内へ吸収されるといわれています。

・モノグルタミン酸型葉酸

モノグルタミン酸型とは、サプリメントに含まれる葉酸のことをいいます。こちらの葉酸は、すでにモノグルタミン酸型になっているため、「分解」というプロセスを減ることなく、小腸での吸収が可能です。

そのため、体内への吸収率が高く、摂取した量の85%ほどが体内に吸収されるとされています。

「ポリグルタミン」と「モノグルタミン」の違い

食べ物に含まれるポリグルタミン酸型の葉酸は、収穫時期や天候の影響を受けやすく、摂取できる量にバラツキがあるというデメリットがあります。

それに対して、モノグルタミン酸型の葉酸は、ポリグルタミン酸型葉酸と比べると吸収効率が高く、摂取量も常に安定しています。

確実に葉酸を摂取したいという場合は、サプリメントからモノグルタミン酸型の葉酸を摂るほうがおすすめです。

まとめ

葉酸が含まれている食べ物や、葉酸の役割についてお伝えしました。妊娠中は赤ちゃんの発育をサポートするために、とくに意識して摂りたい葉酸ですが、妊娠の有無に関わりなく葉酸を摂ることで健康対策にもつながります。食べ物から摂られる葉酸は、どうしても吸収率が下がるので、サプリメントも併用して1日に推奨されている量の葉酸を摂るようにしてください。

記事監修

田中 啓様

産婦人科専門医、周産期新生児専門医、臨床遺伝専門医 2007年東京大学卒業
卒業後、都内で産婦人科に。症例報告、臨床研究、基礎研究、すべて英語論文の実績多数。

妊活・妊娠中の女性にとって、葉酸は欠かせない栄養素です。しかし、普段の食事だけで必要とされる量の葉酸を摂取するのはとても難しいです。忙しい毎日の生活の中では、サプリメントを利用して効率よく葉酸を摂取するのがよいと思います。